猫が糖尿病になる危険な生活・習慣について

ウチの猫ちゃんがまさかの糖尿病・・毎日、インスリン注射をするなんて!
考えただけでも卒倒しそうです。
そんな飼い主さんの為に日々、獣医学は猫ちゃんが糖尿病にならぬよう
予防の研究を進めています。そんな研究の一つをご紹介。

http://www.zastavki.com/eng/Animals/Cats/wallpaper-32826.htm より


猫ちゃんって糖尿病になりやすいの?


猫が自然に糖尿病になってしまうリスクは0.1%程だと言われています。
ですから、自然のままに暮らしている猫ちゃんはほぼ糖尿病になることはありません。

人と暮らすようになったために糖尿病になるリスクを抱えてしまったという事です。
人との生活に潜むリスクファクターをあぶりだしましょう。


リスクファクターの一覧


品種:
MIX猫を1としたとき、糖尿病になりやすい品種
バーミーズ、ノルウェージャンフォレストキャット


性別:
オス猫である(メスの2倍)
不妊手術をしている(肥満と関係か??)


外へのアクセス:
運動を好まない猫は糖尿病になるリスクが高い
外にアクセスできる環境があると糖尿病になるリスクは下げられる。

生来、運動を好む猫ちゃんの場合、完全室内飼いでも糖尿病になるリスクは低い


食事の食べ方*1:
食事をすぐに完食する猫ちゃんは糖尿病になりやすい。
食事をだらだら食べる。。食に執着しない猫ちゃんは有意に糖尿病になりにくい。
*1、研究時の猫ちゃんの条件が異なっているため議論が続いている。暫定的な因子

食生活*2:
ドライフードを中心に食べている(ドライフードに含まれる炭水化物が影響している?)太っていない猫ちゃんであってもドライ中心の食生活の猫ちゃんは糖尿病になりやすい。

*2、この因子も条件をそろえた状態でのさらなる研究が必要。暫定的な因子


ですが、様々な研究から炭水化物を3g/100kCal以下に抑えた方が糖尿病になるリスクは低くなるようだ・・といわれています。
高タンパク質ダイエットが糖尿病猫のインスリン減量につながったというエビデンスは上がっていますが、コンセンサスに至っていません。。。
たぶん。。ネズミに近い
低炭水化物、高たんぱく、脂肪が含まれたフードは猫に良い。。と思われる。笑

薬品:
使用方法に関わらずステロイドを使用している猫ちゃんは糖尿病になるリスクが高い。


加筆:特にコメントする必要はないと思ったのですが肥満は当然、糖尿病リスクが上がります。その数字なんと4倍。


以上の因子は標準体型以上の猫ちゃんに当てはまります。
つまり
男子のノルウェージャンで、運動嫌いで、室内飼育で、食欲旺盛で、ドライフードを食べている猫ちゃんは、現在、標準体型であっても糖尿病になるリスクが高いという事になります。

10 Things You Didn’t Know about the Norwegian Forest Catより


こうした研究の問題点
問題1
聞き取りを中心とした研究が多いため、バイアスを厳しく監視し条件を揃えることが課題。私もこういう調査をやったことがありますが、バイアスを取り除くために10円ハゲが出来るくらい考えました。。。それでも学会発表時には、各方面の人々からバイアスの総攻撃を食らいました。。笑

問題2
論文に細かいオッズが提示されていない。
有意差があってもどれくらい高くなるのか?不明でした。



参考文献

Environmental Risk Factors for Diabetes Mellitus in Cats
M. Öhlund, 1 A. Egenvall, 1 T. Fall, 2 H. Hansson‐Hamlin, 1 H. Röcklinsberg, 3 and B.S. Holst 1
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Use of a high-protein diet in the management of feline diabetes mellitus.Frank G1, Anderson W, Pazak H, Hodgkins E, Ballam J, Laflamme D.(アブストのみ)