ボケと生きる。。愛犬、愛猫が認知症になってしまった。。



目次

  1. ボケの原因は?
  2. ボケの症状は?
  3. うちの子がボケる確率は?
  4. 本当にボケか?
  5. ボケを対策する

最近、うちの子、ずーっと外をぼんやり眺めている。。きっと若いころを思い出しているんだろうな。。って思っていたけど
昨日、初めて自分の寝床でウンチをしてしまった。。

ここ数日、なんかおかしい。。もしかしてボケちゃった。。?

親の老いと愛犬、愛猫の老化はえらく堪えます。
今回はペットのボケについて考えましょう。

この分野は獣医が不得意とする分野です。循環器の専門医だろうが、外科専門医だろうが・・勉強してない人はトンチンカンです。飼い主がきっちり覚えておかないと

飼い主「夜泣きに悩んでいます。。」

獣医「なに?夜泣きだぁ。。」「眠剤を飲ませましょう!アセプロを出しときますから」

あるいは「昼寝かさないようにしてあげて下さい」

ってな感じで過激な治療やおかしなアドバイスを突然されてしまう危険があるので防御法を憶えましょう。

このブログでは
アルツファイマ―型が・・・という難しい話は置いときます。
そんなの意味ないでしょう。

ただ原因は2つ覚えてください。
原因さえわかれば生活でも気を付けられると思います。


何でボケるのか?

原因1:脳がスカスカになった

脳というのは大量のエネルギーと大量の酸素を消費することで
やっとなりたっている臓器です。
少しでも脳へのエネルギーや酸素供給が止まれば脳は止まってしまいます。
そのため身体は動脈血の15%を脳へ送っているわけです。

さて皆さん。
身体が酸素を使ってエネルギーを燃やすとどうなるか?分かりますでしょうか?

そうです。酸化するわけです。すぐ酸化します。

若いころは脳には酸化を抑える物質が豊富に存在しているので問題がないのですが
年を取るにつれて酸化を止める物質が減少し、脳はどんどん酸化していきます。
脳が酸化することで、脳細胞は死滅し脳がスカスカになり。。ボケるってわけです。

原因2:脳の血流が途絶えた

上述のように脳は大量の酸素とエネルギーがなければ
活動できません。
血流が途絶えてしまえば、脳は終わりです。

それが一気に広範囲に起これば脳梗塞という死に至る病に発展しますが
ごく小規模、顕微鏡でやっと見えるような範囲で起きた場合、それが積み重なって
ボケという症状で姿を現します。


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原因は分かった。症状は?


多く分けて、4つに分かれるといわれています。

1、方向感覚を失う

脳梗塞になった人は家のなかで迷子になる??という話を聞いたことありませんか?
同じことが生じます。
ベットの間に挟まったまま、ぼーっと佇み後ろに下がるという選択ができません。
また、壁に向かってぼーっとしていることがあります。前に進みたいけど壁があるため進めないのです。


2、他の者への興味を失う

他の犬や生き物だけでなく、飼い主への興味を失います。
パパが帰ってきても、頭をあげるだけになります。

3、不適切な行動を取る

躾によって勝ち取った習慣を忘れてしまいます。
トイレ、飼い主に噛みつこうとする。
目の前を通る全てに吠え掛かる。。こんな症状です。

このほか、顔が小刻みに震えたり、口がワナワナすることもあります。
この行動の変化は比較的、初めの段階で見抜けるポイントです。

4、生活サイクルが変化する

昼間、ずーっと寝ていたのに真夜中、這い出して遠吠えを始める。
ゴミ箱をあさり、ご飯を要求する。
今までのペットなら考えられない行動をとります。

以上の項目のうち2つ当てはまれば軽度のボケとして診断します。


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どれくらいのペットがボケるの?


アメリカのでの研究になりますが
11歳以上の32%
16歳以上では100%
何らかの認知機能の低下があったそうです。
(この中には脳腫瘍は含まれていません)

コレ文字、読めますか??答えは最後に書きましょう。


つまり

年を取れば皆、ボケるのです。


犬の平均寿命が14歳。
室内飼育の猫の平均寿命が16歳

この事実を知った今、愛するベットに対策を施しましょう。



まずは本当にボケか?調べる


ボケと似ている症状を出す病気がいくつかあります。
ボケてないのに。。ボケてるというレッテルを貼らぬよう
まず確実に診断しましょう。

例えば、甲状腺機能低下症。。ヌボーっとします。甲状腺機能亢進症。。触れるものすべてを傷つけ、家族も容赦しません。
また、脳腫瘍も鑑別に入れなければいけません。

他にも色々ありますので、鑑別は獣医にしてもらいましょう。
こればっかりは見た目では分からないからです。



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ボケ対策を始める。。ボケる前に始める


まずはダイエット


ラットでの研究になりますが
6週間にわたり40%のカロリー制限を行ったラット群ではダイエットを行っていないラットに比べて、脳を傷害する物質が70%も減少したことが分かりました。
また逆に過剰にカロリーを摂取させた群では脳を傷害する物質が増えていた事も分かりました。
ラットの6週間というと、犬の寿命に単純に換算すると70日間という事になりますが、長期間、カロリー制限を加えることで同様の結果が得られると考えられています。

摂取カロリーを40%も削減するというのは現実的ではありませんが、それは逆にワンちゃん、猫ちゃんにとってのストレスでしょう。。
しかし、少しやせ気味に維持すると寿命が延びることも別の研究からわかっていますので
少し肋が触れるくらいまで減量するのは良い事だと言えます。
また適度な運動を加えることでさらに脳を傷害する物質が減ることも分かっています。

ヒルズのB/D

犬限定になりますが、ヒルズよりB/Dというボケの効く栄養。。具体的には脳の酸化を抑える栄養素が強化されたフードがあります。
最後に述べる薬には使用制限がありますが、フードはどんな薬を飲んでいても与えることができますので、フードは良いボケ対策になると思います。

DHA.EPA等の不飽和脂肪酸

これらも脳に生じた酸化物質を無害化する働きがあります。
だいたい1日、280㎎も摂れば十分だと考えられます。


このほか、コエンザイムQ10、アンチノール(モエギイガイエキス)、グルタチオン(レバーなど)等も抗酸化作用があり効果があるかもしれません。

なかでもDHAやEPAは手に入りやすく、人間と共用できることから
お勧めです。

ご両親もペットも同時にボケ防止です!!!



*不飽和脂肪酸は酸化しやすいので、信頼のおけるメーカーでつくられたものを使用されることをお勧めします。アメリカではDHA,EPAを含んだ商品の抜き打ち検査で半分は問題ありとされたそうです(自分は報告書を読んでいませんが、そういう記事があります)。

それでもボケてきたら。。投薬だ!

いくら気を付けても、ボケるペットはやはりボケます。おそらく遺伝的な素因もあるのでしょう。。その時は薬を頼りましょう。動物用としてセレギリンなどの薬が出ています。
申し訳ないのですが、これは獣医にご相談ください。
個人輸入は可能なのですが、高齢猫ちゃんの場合、肥大型心筋症を患っているケースがあり、その治療薬と相性が悪かったりします。
その他、ある分野のてんかん薬や特定のノミダニ駆除剤との併用が禁止されていたり
専門的な判断が一度、必要なので申し訳ないのですが、一度は獣医の判断をもらってください。
そして、効くってわかったら個人輸入しましょう。
定期チェックは忘れずに。


そして、最後にアロマによるボケの緩和法もあります。

有名なのでご存知の方もいるででょう。。

猫はフェリウェイという商品
犬ならアダプティルという商品がこれに当たります。

どちらもボケその物に効くわけではありませんが
アロマによる安心感でストレスが軽減され、夜泣きなどが改善した。。という
使用者の報告があります。
フェリウェイは日本でも購入可能ですが
アダプティルは輸入しなければいけません。


これはアダプティルの紹介動画になります。



その他。

適応力が低下しているので
家具の位置をかえない、段差をなくす、ステップに滑り止めを設置するなどの配慮をしてください。
この時、議論になるのが新しい刺激を与えるべきか?それとも与えないべきか?という点ですが、よくわかっていません。




答え:俺の腹の皮をためしてみをれ、ニャンニャンですね。

繰り返しになりますが
世の獣医の中には夜泣き、深夜徘徊という飼い主の訴えに対し
直ぐに麻酔薬(アセプロマジンなど)を処方する獣医がいます。

脳が酸化してボケが進む、この事を頭に入れて
脳が酸化しないようどうすればいいのか?それを頭に入れて対策を立ててください。

まずはご飯を変える。それでダメなら薬による処方、それでもコントロールできない場合、初めて眠剤をご使用ください。

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参考文献
Cognitive dysfunction in dogs
NOW WHY DID I COME HERE? CANINE COGNITIVE DYSFUNCTION
ヒルズのHP