魚油(DHA,EPA)を用いた犬、猫における難治性てんかん発作の治療の可能性


様々な原因で起こる”てんかん発作”、自分の愛犬や愛猫がてんかん発作を起こすと。
パニックですよね。

てんかん発作の原因は様々で脳腫瘍や栄養不足。。それはそれは範囲が広い。
ですから、もし愛犬、愛猫がてんかん発作を起こした場合、まず危ない病気の症状ではない と除外してもらう必要があります。

検査の結果、治療が必要となった場合は薬を飲むことになります。
多くは投薬によりコントロールできます。

いまは、とても多くの抗てんかん薬が発売されているからです。。

そうなんですが。。

この抗てんかん薬

!!!実に値段が高い!!!

!!月1万円を超えることも普通です!!

!!!!安く抑えたい!!!

!!!毎回、薬をあげてペットとの信頼関係を崩したくない!!!

そう思いませんか?




。。。という事で2015年に発表された小児のてんかん発作に関する論文に基づき、新しい可能性を示したいと思います。


これは 2013 - 2014 、エジプトで行われた報告です(参照論文は最後に)。

原因が様々な難治性のてんかん発作に悩む70人の少年少女を集め
てんかん発作の程度、頻度を同じくらいになるよう2つのグループ(35人ずつ)に分けました。

一方のグループには通常の治療に加えて魚油を摂ってもらい。
他方のグループには通常の治療のみを行いました。

3か月間の実験の結果・・・・無投与のグループでは発作回数の変化がなかったのに対し

魚油を用いたグループは明らかな発作回数の減少を認めたのです。
一か月で 57 % の患者で改善が認められました 。
2月目からは魚油投与群ではてんかん発作を認めず、100% の改善率となったのです。

だたし、てんかん発作重篤度に関しては両グループともに差はありませんでした。

この結果、魚油を用いると
てんかん発作 の回数を減らせる可能性が出てきたのです。


具体的な処方は以下のようでした。

DHA : EPA = 2 : 3 の比率にした魚油をそれぞれ、240 mg , 360 mg
それにビタミンEを添加し酸化防止したうえで与える

与え方についての記述はありませんでたので
一日、1回でも2回に分けてもいいと思います。

実験は2重盲検で行われており信頼性は高いとおもうのですが
いかんせん70症例での検討では症例数が少ない、また長期的な視点が欠けており
今後の報告が望まれます。

獣医分野でもこの結果を受けて、なんとなく処方が行われていますが患者の数や資金を持ってる大学附属の動物病院などが積極的に解析をすべきだと思います。

この研究を知らない獣医がいたら飼い主が教えてあげて下さい。


元ネタ
Diala Mohamed Ali Reda,et al.Fish Oil Intake and Seizure Control in Children with Medically Resistant Epilepsy..” North American Journal of Medical Sciences7.7 (2015): 317–321. PMC. Web. 11 Sept. 2017.