前庭障害まとめ。。近くに病院がなかったらどうするよ!!


まず先日の前庭障害のまとめを書きます。
その後で動物病院に連れていけないときの自分での病気の診断方法を示しましょう。
しつこいですが、獣医学的な正確性より分かり易さを重視してます。


―前庭障害の特徴―
  • とにかく突発的!!急になる
  • 目がグルグル回る(眼振=種類を鑑別するのが大事!)
  • フラフラするが補助すれば立てる(捻転斜頚=運動機能障害の程度が大事!)
  • 首が曲がっている(捻転斜頚)
  • 悪化しない
  • 異常行動を伴わない
眼振の種類と、運動機能障害がどの程度でているか?
それで前庭障害なのか?違う脳の病気なのか?が判断できます。

―治療-
  • 対症療法、水を飲ませたり、吐き気止めをあげたり
  • リハビリを行い、早期の運動機能の回復を促す

ついでなので。。海外に住んでいてお近くに動物病院がない。。とか金銭的な事情で動物病院に連れていけない。。という方もいるでしょうから脳障害との簡単な見分け方をお知らせしましょう。

気を付けてほしいのは。。都会にでも住んでない限り、脳障害だってわかったところで治せないという事です。。これから書く鑑別に当てはまってしまったらそれは死刑宣告になります。


これより先は向き合う自身がない方は読んではいけません。

―まずは立てるか?立てないか?です―
首を傾(かし)げて、体が曲がってしまうので立ちにくいのですが
前庭障害は視覚、触覚が生きてますので立てます。
タオルなどで体を支え、立たせてみましょう。

立てない場合、脳の障害の可能性が高いです。
つまり脳梗塞や脳腫瘍などです。

―目のグルグル。。眼振がポイント―
眼振のパターンが垂直である
大まか!で良いです。眼球は自分で動かせるので純粋な垂直にはなりません。
主成分が垂直方向ならば脳障害の可能性が高いです。

―最後、症状が悪化、異常行動を示している―
明らかに悪くなっている場合、異常な行動をするようになった場合
例えば意識が日に日に朦朧している、異常な食欲、頭を震わせながら壁に頭を押し付ける。。など
加えて、どんどん歩けなくなっている。
これらがあれば、一発で脳障害認定です。

立てない、目が縦方向にグルグル回っている、以前より悪化している。
こんな症状が同時に生じている場合、脳障害の可能性が高いと言うより、脳障害でしょう。


ホントはもう少しあるのですが、映像でないと紹介しにくいので。。これで7,8割は鑑別できると思います。。。語弊を恐れず言えばこのポイントさえ押さえてしまえば獣医と互角の知識になります。
脳障害と言っても小脳梗塞などの場合、上述の症状が出ますがそれ以上、症状が進行しないという大切なポイントが当てはまりますので、その場では前庭障害と分けられないかもしれません。その場で脳梗塞を鑑別するにはもうちょっとコツが要ります。言葉で伝えるのはちょっと難しいので勘弁してください。

―ご自宅での治療に関しては―
前述と同じです。水をよく飲ませ、ご飯にも水をたくさん含ませペースト状にして
歯茎、舌に塗って食べさせてください。


以上になります。参考になりましたかね。