犬(猫)がタバコを食べたら 3


今回はタバコ中毒の症状と治療法を説明したいと思います。


-中毒症状-

タバコを食べると胃に入ります。
実はニコチンは酸性環境では吸収されずらいという性質があり
胃ではあまり吸収されません。

それでも少量は吸収されますので身体は毒の侵入を認識し
激しい嘔吐を引き起こします

これは摂食から1時間後と言われています。

短い時間に何回も吐き、この時点で胃内のタバコを全て吐き出してしまうので、吸収の舞台である小腸まで到達することは殆どありません。

しかしタバコを大量に食べたり、水に溶けたニコチン(タバコ捨て場)を摂食した場合
身体が嘔吐を引き起こす前に吸収してしまうことがあります。

そうすると一気に中毒量を越えますので
激しい嘔吐に加え、流涎、震え、頻呼吸、意識障害などを生じます。

この時点で、飼い主はおかしいと気づくわけですが
吐いた物の中よりタバコをみつけ
ニコチン中毒ではないか?と病院に走ります。
なので、気を付けたいのは
吐いたら、吐いた物に注意する!
タバコが入っていたらニコチン中毒を疑うこと。
という事でしょうね。吐物に注目することは様々な診断の助けになります。
―治療は?―
治療は対症療法になります。
血圧が上がっていれば降圧剤
消化管に残ったニコチンを吸収しないよう活性炭を使います。
また点滴ガンガン入れて血中ニコチンの排泄を促します。

もともとニコチンは排泄されやすく2時間程度で血中のニコチン半分は排泄されてしまいます。

そして、4時間を超えて症状が安定してきたなら峠は越えたと安心してよいです
哀愁漂うインドアわんこ より引用
―でも、ホントは死ぬ危険性は少ない?―

愛犬が散歩中にタバコを食べてしまった場合、焦りますよね?
でも犬は幼児の誤食に比べニコチン中毒になる割合が低いと言われています。
なぜでしょうか?


―最大の理由、そもそもマズイ―

ニコチンガムのように嗜好性を高めている商品がありますが、それでも苦いと感じるようです。
実際、食べているように見えるだけで舐めてるだけのことが多いです。

―すぐに吐き出す―

食べたとしてもニコチンは激しい嘔吐を誘発するため、吸収されるのはほんの一部です。

そして嘔吐しきれなかった残りかすの内、更にほんの一部が血中に入り中毒を起こすので
致死量まで血中濃度が上がることはまずないと思ってよいと思います。

極め付け、ケシモクには殆どニコチンは含まれていない―

キザミに含まれるニコチンは喫煙とともにタバコから消えていきます。
ケシモクのニコチンは無視して大丈夫です。



もし夜間、食べてしまった疑いがある場合や
子供でお留守番中にそういう事故があった場合

まず、できるだけ正確な銘柄、摂食量、時間を記録します。

そして水を飲ませないように水を取り上げましょう。

摂食から1時間はペットに変化がないか?中止しましょう。

危険な量を食べた場合、嘔吐が始まります。

吐物にタバコが含まれていないか?含まれているなら、摂食量と比較し
胃内にどれくらい残っているか推定しましょう。

嘔吐は何度も続きます。
それでも水は飲ませないでください。

4時間たちペットの様子が安定してきたら水をあげましょう
こんどは血中に取り込まれたニコチンを出さなければいけません。
もちろん2時間待っても嘔吐が始まらなければ水をあげて大丈夫です。


*参考文献はまとめて最後にあります。


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