愛犬、愛猫の最後を家で迎えるために。自宅でのターミナルケア

腫瘍や腎不全、肝不全、老衰。。余命宣告をされた飼い主はどのように”さようなら”したらいいのか?不安だと思います。
最後を迎えるとき出来たら病院ではなく、住み慣れた家で家族に見守られながら死んでいってほしいですよね。
愛するペットを自宅で最期を迎えさせるため何をしたらよいでしょうか?


ご飯:
最後の一か月はほっとんど食べません。大丈夫で餓死はしません。悲しいですが昔のようにガツガツ食べることも、モグモグすることは2度とありません。
スーパーの惣菜を探し回り、色んな弁当のおかずを買ってきて試してやっと一口、二口、食べるものがあった。。。そのようになります。
厚焼き玉子やソーセージ。。健康な時は食べてほしくない食べ物ですが、背に腹はかえられません。
元気な時はあんなに喜んで食べていたササミや牛肉は割と早い段階で食べれなくなります。
そして、いよいよ最後になっても食べるものと言えば、アイスクリーム類です。
私はアイスクリームを食べなくなったら数日以内に亡くなると患者家族に話しています。

ご飯のあげ方ですが
最後の日々を過ごすペットは上手く飲みこめず誤嚥することがあります。
ご飯をあげるときは伏せの姿勢にして膝に上半身または顔を乗っけて、まず自分から食べるか?待ちましょう。食べない場合、歯茎にご飯を塗るようにしてあげましょう。

間違っても伏せのママあげてたら駄目です。
伏せのまま食べさせると誤嚥する可能性があり、誤嚥したら一発で天に召されます。


飲み水
飲み水は大変重要です。自分で飲めるならいいのですが、自分で飲みたくても飲めない場合はいち早く察知して水をあげてください。

飲ませ方は食べさせ方と一緒です。誤嚥をさせないよう慎重にあげて下さい。

出来るならば最後の一月は皮下補液で水分を補ってあげて下さい。おそらく皮下補液で水分を与えても1日では吸収しきれず皮下に溜まると思います。
皮下補液をする際は必ず前回行った皮下補液が吸収されているか?確認してからにしましょう。
何も考えないで皮下補液をしていると吸収しきれなかったところから感染が始まることがあります。


運動:小型、中型犬なら特に寝たきりでも構いませんが、大型犬は10日も立ってないと立てなくなります。立てなくなるくらいならいいですが、寝返りさえ打てなくなり褥瘡が出来てしまいます。
褥瘡対策のためにも寝返りをうてる筋力は持たせてあげたいです。
後ろ足から参っていくので、余裕があれば車いすを工作してあげて、無理ならバスタオルを代用して筋肉の維持に勤めましょう。
それでも最後は寝返りをうてなくなり、褥瘡が出来てしまいます。
出来たら回復させるまで生きてもらうのは困難です。
褥瘡だけは対策を立ててください。褥瘡は皮膚の下から壊死が始まるので気が付くのが難しいです。予防しかありません。

褥瘡対策4-5時間おきの体位変換だけでなく、広い面で体重を受けることを意識してください。
What Does Your Dog’s Sleeping Position Say About Them?一部改編
上図の特に褥瘡ができやすい。。大転子という場所は何度もチェックしてください。
またこの場所に限らず身体のでっぱってる部分は褥瘡が出来やすいので、寝かせるときは身体の凹凸に合わせてビーズクッションなどのクッションを挟んでください。
横から見たとき体のラインがデコボコにならないようなっていれば正解です。
マットはペットの体重で程よく沈むくらいの硬さが適切ですがなかなか見つけるのも難しいと思うので大体で良いかと思います。

寝かせ方にはまだ注意があります。
完全に横にするのではなく斜めにしてください。

動物によっては好きな体位があります。右した、左した、伏せ、腹バイ。
”寝方が何を意味しているか分かりますか?”
ターミナルケアの場合:寝方 = 呼吸がしやすい です。
ペットの好きな体位を把握しておきましょう。普通、呼吸がしやすい体位は伏せです。この姿勢なら肺が十分膨らむことが出来るからです。
完全にどちらかを完全に下にした場合、下にした方の肺は潰れています。。健康な時は自分で体位を変えるので問題ありませんが、ターミナルケアの時は気を付けて下さい。

排泄:
可愛そうですが、お尻周りの毛をバッサリ、バリカンしてください。ペットがウンコにまみれて死ぬよりはましでしょう。
ペット用のオムツやペットシーツは価格が高いので人の介護用のシーツを買いましょう。
人のオムツでもシッポを入れる穴さえあければ同じことです。

酸素室:
心臓が悪い場合や腎不全、腫瘍の場合、呼吸が苦しくなる事があります。
常時、眠そうなのに寝れない。呼吸が苦しそう。。なら
レンタル酸素室を設置されることをお勧めします。
一月で一万円程度かかってしまいますので、よく考えたうえで獣医にご相談ください。

獣医によっては呼吸回数で指導されることがありますが、呼吸回数はあてになりません。
室温の可能性が高いです。
呼吸回数はたんなる目安。体温などと併せて考える必要があります。


薬:
ハッキリ言いまして、無理して飲ませる必要はこの期に及んでありません。
おそらく、ここまでくる間に薬がエライ量になってることでしょう。

獣医は薬を出したがります。。その割に殆ど効果はありません。
下痢止めの薬、吐き気を抑える薬、ビタミン剤、出血を抑える薬。。
ターミナルケアを自宅でと決めたら、服用している薬を最低限に減らしてもらいましょう。

このほかにもありますが、とりあえずきょうはこのあたりで